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9期生 黒澤光来さん

 坂上ゼミ9期生の黒澤光来さんにお話を伺いました。2021年7月7日に、zoomを使用して、オンライン上でインタビューを行いました。お忙しい中、ご協力いただきありがとうございました。

 

大学時代について

 

◆大学時代熱中していたことはありますか

 美術が好きだったので、様々な美術館を訪れていました。地方出身ということもあり、東京にあるたくさんの美術館は魅力的でした。また学芸員の資格に関連する講義を受け、資格を取得しました。さらには副専攻制度を利用して法学部講義を受講したり、中南米研究会(※バンドサークル)でジャマイカ音楽に触れたりと、忙しく充実した日々を過ごしていました。

 

◆坂上ゼミを選んだ理由とゼミ論のテーマについて教えてください

 好きな美術を専門的に学べると思ったからです。同期は美術や韓国が好きな人が多く穏やかな雰囲気で、韓国合宿で仲を深められたことはとても嬉しかったです。

 ゼミ論は、国立近代美術館の展覧会の歴史をテーマに選びました。学芸員資格を取得していたこともあり、美術館や学芸員の役割に興味があったためです。実際に国立近代美術館で学芸員として働かれているゼミの先輩もおり、大学から近く在学中に一番親しんだ美術館ということで、数ある美術館の中からこの美術館を選びました。

 

◆進路を決めた経緯を教えてください

 学芸員になるため修士に進むか、就職するのか。最後まで迷いました。修士に進もうかと考えた際、これからどのように専門性を高めていくのか悩んだので、最終的には学部で就職することを選び、現在の出版社に決めました。もともとアーカイブという営みに興味があったので、美術館という場所を離れても、「ことば」を使い事物を記述して“残す”仕事をしたいと考えました。

 

仕事について

 

◆具体的な仕事の内容について教えてください

 現在は実用書を中心に扱う出版社にいます。私の仕事内容をざっくりまとめると、テーマを企画し市場調査をして内容を煮詰め、そのテーマを扱う著者を探してお願いし、書籍の編集に取り掛かる、ということをしています。

 

◆仕事をする上で気をつけていることなどはありますか

 実際に自分の目で確かめること、受け売りや手癖で物事を進めないことを大事にしています。実際の業務内では、書店に足を運ぶことを大切にしています。特に書店では、どこにどんな本が配置されているのか、装丁や題名、本の色や質感にもこだわって観察するようにしています。デジタルの時代ですが、アナログに自分の目で感じることは大切にしています。

 

◆編集者という職に興味があります。学生のうちに準備するべきことはありますか

 好きな本や文章を、好きなように読むことではないでしょうか。私自身、本を読むことは好きですが色々な作家の本を読むタイプの読書家という訳ではなく、また文章を書くのもどちらかというと苦手です。

 そのため入社するまでは「大丈夫だろうか」という不安ももちろんありました。けれど、いざ会社に入ってみたら気にしていたのは案外自分だけでした。自由に本を読み、気になったことはとことん調べる。学ぶ。その姿勢を大切にするだけで十分だと思います。

 

◆将来の夢、今後のヴィジョンを教えてください

  “アーカイブ”という営みに興味関心があるのは今のところずっと変わらないので、そこに真摯に向き合い専門性を高めていけたらいいなと考えています。あとは、一度海のそばで暮らしてみたいです。

 

学生に向けたメッセージ

 

◆学生時代にしておいた方が良いことがあれば教えてください

 好きなことをやるのが一番だと思います。紆余曲折あって早稲田大学に入学し、在学中も精神的に行き詰まる場面が多々あり、就職も秋ごろまで悩んで決めましたが、今こうして元気に働けています。大丈夫です。学生時代にしか経験できないことはたくさんあるので、アルバイトでも、サークルでも、趣味でも好きなことをやることが良いと思います。

 

◆坂上先生へのメッセージ

 毎週のゼミや展覧会にたくさん遅刻したり、ゼミ合宿も二日目から参加したり、卒論では

ページ数抜けなどミスを連発したりと、本当にご迷惑をおかけしました……。少し大人になり、元気でやっています!あたたかく見守っていただきありがとうございました。またお会いできる日を楽しみにしています。

インタビュー後の感想

 

●もともと想定していた質問以外にも快く答えてくださったことが印象的でした。また、自分が納得した道を選ぶことの重要性を教えていただきました。大学生としても、社会人としても、後悔がないように納得できる過ごし方をしたいと思います。(旭野)

●終始穏やかな雰囲気でインタビューをさせていただきました。

黒澤さんのお話の中で特に心に残ったのは、『好きなことをやるのが1番』という言葉です。私自身、将来について色々考え始めた時期で悩んでいることもありました。しかし黒澤さんのお話を伺って結局は自分が好きなもの、納得できるものを追求していきたいと思うようになりました。

大変貴重なお時間をいただきありがとうございました。(高瀬)

●お仕事後のお忙しい時間にも関わらず、たくさんの質問に答えていただき、とても感謝しています。黒澤さんが人生の様々な選択肢の中で迷い紆余曲折を経て現在、充実した日々を送られている様子を見て、勇気をもらいました。道は一つではないし自分が本当にやりたいことをやるのが一番なのだと学び、私の今後の人生も、楽しいと思えることに取り組み経験を増やし続けていきたいと思いました。(鈴木)

[聞き手:旭野・鈴木・高瀬]

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