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6期生 高瀬杏さん

坂上ゼミ6期生の高瀬杏さんにお話を伺いました。2020年7月1日にzoomを使用してインタビューさせて頂きました。ご協力ありがとうございました!

大学時代について

◆大学時代のことについて教えてください

2年生まではWESS(早稲田大学英語会)で、スピーチやディベート、ドラマなどの活動をして、サークル一色の生活をしていました。3年生からは坂上ゼミに加えて、副専攻でジャーナリズムのゼミに参加し、ゼミ活動に力を入れていました。

◆坂上ゼミを選んだ理由を教えてください

高校生の時からジャーナリズムに興味があり、文芸ジャーナリズム論系を目指し文化構想学部に入りました。しかし、文芸ジャーナリズム論系で学べることと自分がやりたかった取材などの勉強にはギャップがあったため、文化構想学部でのゼミ選択の際には、美術に興味があり、美術館などに行くのが好きだったという理由で坂上ゼミを選びました。それに加えて、自分がしたかったジャーナリズムの勉強をするため、副専攻としてジャーナリズムのゼミにも参加することにしました。

◆ゼミ論のテーマを教えてください

ジョルジュ・ビゴーの風刺画について書きました。美術の中でも、ジャーナリズムの要素に寄せて書けると思ったのでこのテーマを選びました。

◆当時の坂上ゼミの様子はどうでしたか

マイペースな雰囲気でした。みんな主張が強いわけではないけれど、それぞれ個性があって卒論も多様なテーマがあって面白かったです。

◆坂上ゼミの活動で印象に残っていることを教えてください

やはり韓国合宿です。現地の学生と仲良くなったことや、音楽番組の収録を見学できたことが印象に残っています。

◆就職先を決めた理由を教えてください

ジャーナリズムのゼミでドキュメンタリーを見る機会が多くあり、もともと志望していた新聞記者に加え、映像を作る仕事にも興味を持つようになりました。就職活動の結果、新聞社とNHKから内定をもらうことができました。どちらに就職するかを考える際に、文章を書く仕事は、映像を作る仕事に比べて後からでも挑戦する余地があるのではないかと考え、NHKへの就職を決めました。

◆就職活動の際に意識したことはありますか。

自分が何をしたいのかをしっかり考えることです。マスコミは選考の時期が遅いうえに、小論文など特殊な対策が必要だったので、他の業種を志望する周りの人たちの進捗を聞いて焦ることもありましたが、あくまで自分のこととして考えることを意識していました。

仕事について

◆現在のお仕事について教えてください

NHKでディレクターという仕事をしています。報道部に所属しており、社会問題などをテーマとした番組に携わることが多いです。NHKは47都道府県にあるため、入社後は多くの場合1年目から地方に配属されて、5~6年そこで働きます。私は現在初任地である大阪で働いています。

◆具体的な仕事の内容について教えてください

朝のニュースで放送される短いリポートや、約30分間の報道番組を担当しています。具体的な仕事としては、どんな番組にしたいのか、取材をして現場を見つけて、企画書を書いて提案します。その後ロケをし、撮れた映像でもう一度どのような番組になるのかを考え、編集をします。そして、放送をします。

◆1年目はアシスタントディレクターとして仕事をするのですか

NHKでは1年目からディレクターとして仕事をします。たとえ1年目だとしても、現場に行くディレクターは自分一人しかいないので、その場で私が責任を持って判断しなければなりません。初めは、ベテランのカメラマンや音声マンと一緒にロケに行って、みんなが私に「どうするの」と私に聞いてくることに戸惑いました。逆に責任は重いですが、1年目でも提案がよければ長尺の番組もできるので、可能性のある職場だと感じています。

◆やりがいはどんなことですか

取材先と信頼関係を築いて、お話が聞けたときです。取材という行為は、相手のご好意の上に成り立つもので、取材対象者にとってはとても負担の大きいものです。加えてテレビによる取材は、カメラで撮影されるという、より大きな負担を負うことになります。特に報道部の私が取材する現場では、取材されたくない方が多くいるケースが多いです。悲しい話や辛かった話をテレビでするのは、本当に力がいることなので。取材される人の負担を減らし不安を解消して話が聞けた時、「話を聞いてもらえて良かった」と言っていただけた時、少なくとも目の前にいるその方にとってこの仕事は意味があったなと思えます。誰かに話を聞いてほしい、みんなに何かを知ってほしい・伝えたい、という気持ちを持っている方はいらっしゃるので、その思いをきちんと放送につなげたいと思っています。

◆大変なことはありますか

一番苦手なのは最初の提案をすることです。何をやるのか自分で決めることはある意味番組作りの醍醐味でもあるのですが、ゼロから企画を考えるのはすごく難しいと思っていて、一枚の紙に何をするかを構想する仕事が、私にとっては一番大変な作業です。

◆大学生のうちにやっておいて良かったと思うことはありますか

役職などは関係なく「ただの自分」という存在を大切にしてくれる友達をたくさん持てたことです。社会人になってから同じような関係性の友達を作ることは簡単ではないので。

◆今後のヴィジョンについて教えてください

すごく難しい質問です。取材をして発信するということはやり続けたいとは思っているのですが、今あまりテレビは見られないじゃないですか。その中で、今あるフォーマットで頑張るだけでは限界がある気がして。フォーマットそのものを変えるとか、発想の転換をしていかないと。どんなに意味があることでも伝わらなければしょうがない仕事あるので、伝わるための引き出しを増やせるようにしたいと思っています。

◆仕事がない日はどのように過ごされていますか

普段からアウトドアな方ではないので、土日しか休みがなかったら家にこもっています。休暇がもらえたら、旅行に行ったりします。NHKは休みが取れる方で、基本的に土日は休みなのですが、仕事が入る2、3週間通しで働いて、まとめて休みをもらうこともあるので、毎年1箇所は海外旅行に行っています。

在学生へ向けてメッセージ

◆坂上ゼミの学生に向けてメッセージをお願いします

まだ社会人4年目なので、本当にちょっとの差しかありませんが…少しだけ先の道を進む人として伝えたいのは、自分の軸を持ってほしいということです。軸というのは何か大それたものではなくて、例えばどんなものに魅力を感じるのかとか、どういう理屈で自分は納得できるのかとか、そうした感覚を磨くことで、見えてくるもののような気がしています。

社会に出たからといって、これまで養われてきた感覚を否定されることって意外と無くて、むしろ求められる場面も多いです。結局自分の人生の責任を取れるのは自分しかいないし、後悔のない選択をするためにも、自分が何を見てどう感じるかについて向き合ってみるのが面白いと思います。ぜひ学生時代に色々な経験をして、学んで、研ぎ澄ましていってください。

[聞き手・文責:守屋・渡部]

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