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5期生 森万由子さん

坂上ゼミ5期生の森万由子さんにお話を伺いました。2020年6月18日にzoomを使用しインタビューを行いました。ご協力ありがとうございました!

大学時代について

◆大学時代のことについて教えてください

早稲田大学入学当初はサブカルチャーを含む文化について広く学びたいと考えていましたが、その後学びを深める中で美術史の道を選びました。卒業論文の題材として19世紀末のパリで活動した前衛的な芸術家の集団であるナビ派のモーリス・ドニを選び、主に初期から晩年までの宗教画を幅広く考察しました。ドニを選んだきっかけはブリヂストン美術館(現アーティゾン美術館)での展覧会に足を運んだ際に多数の作品が出展されていて気になったからです。大学院ではより対象を絞り、ドニの‘バッカス祭’について研究をしていました。

学業以外では放送研究会とリコシャ写真部に所属していました。放送研究会ではイベントの際の広報物を作成するために画像編集ソフトの機能に触れることがあり、その経験は現在の仕事でも役立っています。また学外ではアルバイト活動やボランティア活動にも力を入れ、将来仕事にしたいと考えていた美術関係のところで主に働いていました。団体のツアーの誘導をしながら対話型鑑賞をリードするような活動もしていました。

◆坂上ゼミを選んだ理由を教えてください

坂上ゼミに入った理由は、近代美術についての学びを深めたかったため、演習で坂上先生の授業を受けた際に興味を持ったためです。合宿が多く楽しめる点も、今も変わらない坂上ゼミの良さの一つだと思います。

仕事について

◆具体的な仕事の内容や、やりがいなどについて教えてください

大学院を修了し、現在は広島県立美術館の学芸員として働いています。普段の業務としては展覧会の準備や運営、貸出窓口の対応などがあります。他にも展覧会に関する美術講座を開いたり、ギャラリートークも行ったりするため、お客様との関わりにおいて特にやりがいを感じています。現在(インタビュー時:2020年6月)は秋から始まる展覧会の準備や講演会の打ち合わせを主に担っています。また仕事の中ではお客様以外にデザイナーの方とも関わることがあり、展覧会の内容だけでなく、広報物の作成にも力を入れています。学芸員は研究者としての要素を持ちつつも、コミュニケーション能力を持つという二面性があるため、余裕のあるときにじっくりと考え、内にこもりすぎず視野を広く持つことを意識しながら日々働いています。

館にもよりますが、一般的に学芸員になるにはペーパーテストや小論文、複数回の面接をこなす必要があるうえ、募集は少なく、かなり倍率が高いです。学問を究める努力と美術への熱意が求められる職業です。

学芸員になってからは展覧会を鑑賞する視点が変わり、作品以外にもその会場構成やライティングなどが気になるようになりました。やはり東京のいくつかの美術館では、展示の細部にまでお金がかけられているなと思うことがあります。

今後広島県立美術館に訪れる方におすすめしたいのは、美術館に隣接している日本庭園“縮景園”です。この庭園は広島県の旧藩主浅野家が築いたもので、2019年には浅野家入城400年記念展が実施されるほど地域に縁のあるものとなっています。

在学生へ向けてメッセージ

◆学生に向けたメッセージをお願いします

大学在学のうちに興味のあることには積極的に取り組んでください。調べるだけでなく実際に現場に飛び込んでみることが大切です。

[聞き手:櫻井・佐藤 文責:大井]

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